年のせいで
片づけない
だるさ、意欲の低下、寝つきの悪さ、性機能の変化。別々の科にかかる前に、まとめて確かめる方法があります。
「複数の不調が同時に出ているのに、どこも決定打がない」。そのパターンのときに、一度は候補に挙がる考え方を整理します。
何を指す言葉か
加齢に伴って男性ホルモン(テストステロン)が低下し、心身の症状が現れる状態を指して、加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)と呼ばれます。一般には「男性更年期」と言われます。
女性の更年期と違い、低下は緩やかで、時期も個人差が大きいのが特徴です。だからこそ「年のせい」で片づけられやすく、気づかれにくい。
ただし重要なのは、症状だけでは判断できないという点です。似た症状を起こす別の原因が多数あります。
現れ方
3つの領域に分かれて出る
①身体。だるさ、疲れが抜けない、筋力の低下、発汗、寝つきの悪さ、関節や筋肉の痛み。
②精神。意欲の低下、集中しにくい、いらだち、気分の落ち込み。
③性機能。性欲の低下、勃起の変化、朝の勃起の減少。
特徴は3領域にまたがって出ることです。身体だけ、精神だけであれば、他の原因を先に考えます。
そして③は本人が最も相談しにくく、最も見過ごされやすい領域です。ここを言わないまま内科にかかると、全体像が伝わりません。
先に除くべきもの
同じ症状を起こすもので、先に確認すべき代表的なものがあります。
・甲状腺の機能の異常(だるさ、体重の変化、寒がり・暑がり)
・貧血(疲れやすさ、息切れ)
・糖尿病・脂質異常・高血圧(倦怠感、性機能の変化とも関係)
・睡眠時無呼吸(日中の眠気、夜間の頻尿、集中力の低下)
・うつ病・適応障害(意欲の低下、不眠)
・薬の影響(降圧薬、向精神薬などで性機能に影響が出ることがあります)
これらは血液検査や問診で確認できるものが多く、順序としては先です。「男性更年期かもしれない」と考える前に、まず一般的な検査を受ける価値があります。
検査でわかること
医療機関では、問診票(症状の点数化)と血液検査でテストステロンの値を確認する流れが一般的です。採血の時間帯によって値が変動するため、午前中の採血を指示されることがあります。
結果によって、生活習慣の調整、他疾患の治療、ホルモン補充などの選択肢が検討されます。治療の適否と内容は、検査値と全身の状態から医師が判断します。自己判断でサプリメント等に頼る前に、まず数値を見る順序です。
→ 検査でわかること
どこにかかるか
①まず内科(かかりつけ)。甲状腺・貧血・血糖・脂質を含む基本的な検査ができます。鑑別の入口として最短です。
②泌尿器科。性機能や排尿の症状が中心なら、こちらが専門です。男性更年期外来を設けている施設もあります。
③心療内科・精神科。気分の落ち込みや不眠が中心の場合。
症状から科を切り分ける考え方は、別サイトに整理しています。→ 何科に行くか
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